たはむれに母を背負ひて そのあまり軽 かろ きに泣きて 三歩あゆまず
110 その子二十 櫛にながるる黒髪の おごりの春のうつくしきかな.
たはむれに母を背負ひて そのあまり軽 かろ きに泣きて 三歩あゆまず. 或日 箕輪 みのわ の内儀は思も懸けず 訪来 とひきた りぬ その娘のお俊と宮とは学校 朋輩 ほうばい にて常に 往来 ゆきき したりけれども 未 いま だ 家 うち と家との交際はあらざるなり 彼等の通学せし頃さへ親々は互に 識 し らで過ぎたりし. 014 たはむれに 母を背負ひて そのあまり 軽きかろきに泣きて 三歩あゆまず たわむれに 母を背負ってその余りの軽さに泣いて私は三歩歩まない 説明 文語の軽しかろしは口語では軽いかるいになり. 111 たはむれに 母を背負ひてそのあまり 軽かろきに泣きて三歩あゆまず.
語句と表現技法 軽きは形容詞軽しの名詞形 そのあまりはそのあまりにもを. たはむれに石川啄木 たはむれに 母を背負ひて そのあまり. 158 茶まで断ちてわが平復を祈りたまふ母の今日また何か怒れる 159 ぢりぢりと蝋燭らふそくの燃えつくるごとく夜となりたる大晦日かな.
112 東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる.
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